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寝室に入れば
お酒を飲んだ美雪は
口を少し開けて眠りこけている。
最近、夢にうなされていることが多い。
てっきりと真理子のせいだと思ってたが。
もしかしたら
俺が持って帰ってきて手つかずの
あの仏壇のせいかもしれない。
持って帰って来た時の
美雪の引きつった顔。
心のこもってないお礼。
箱から出しもしない不可解な行動。
どれをとっても
悪夢を見る原因に繋がってる気がする。
2度も襲われたことも
すぐに忘れたかのようなふるまい。
それだって、この事件が関係しているのだろう。
・・・・・・・・・・・・・
「ふわぁ~。着いたねぇ!」
「ああ。ちょっと疲れたな」
2人で乗っていた車から降りて
停めさせてもらった駐車場から歩き出した。
「ここが香田さんのご実家か」
見上げる先には、
少し大きめな2階建ての一軒家。
「いらっしゃい2人とも」
車の音を聞きつけて
香田さんのお母さんが出迎えてくれた。
「突然にすみませんでした」
「いいのよぉ。さあどうぞ」
「ただいまー!」
美雪にとっては実家といってもいい
育った家。
自分の家ではなくても
7歳の時から高校を卒業するまで暮らした
思い入れのある家だろう。
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