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産まれてからずっとフランスで家族で暮らしていたあたしが
訳あって、今日からこちらのＭＫ商事と言う会社にお世話になる。
こちらの会社は、主に鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属、機械などの製品を売買及び輸出入している会社。
大元の本社は大阪で、あたしがいるのは東京本社。
そこの鉄鋼本部の営業課に所属している。
こちらだけでも５００名を超える従業員の方がいるし、本社２社に支社が３つ、海外にも事業所２つを構えている。
「神倉さんのデスクはここね」
皆さんが戻られた後、残った粟野課長がすぐそばのデスクを指さした。
「はい。失礼します」
用意されたデスクに腰掛け、すでにパソコンも支給されていたから電源をＯＮにして起動すると
「あたし、田辺茜です。神倉さん･････って、おいくつって聞いてもいい？」
あたしの前の席のワンレンボブの素敵女子に声かけられた。
「田辺さん、よろしくお願いします。あたしは今年２５歳になります」
「あーあーあー、あたしの事は茜って呼んで。じゃああたしと同い年かな？あたしはもう誕生日が来たから２５歳だけど」
「ホント？あたしは１２月だからまだ２４歳。あたしの事も名前で呼んでくださいね」
「うん、里菜ね。こちらこそよろしく」
ポンポン言葉が交わされていく感覚が懐かしい。学生時代を思い出す。
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