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「あは、そうだね。だって、最初に製本まで任せた人って見延さんって言うんだけど、あたしがあの人の補佐だもん」
「そうなの?茜に頼めばいいのに・・・・」
「あたしに頼んだら里菜に声をかけられないじゃん!ねえ、和美ネーサン」
新たなお名前が出て来て、茜の視線の先に目をやるとスラっと伸びたストレートヘアーが似合う大人女子があたしの隣の席に座った。
「初めまして、神倉さんね?遅れてしまってごめんなさいね。あたしは吉田和美。茜の4つ上になるわ」
「あ、神倉里菜です。よろしくお願いします。あたしは茜と同い年らしいです」
椅子から立ち上がって挨拶をすると
「あははは!和美ネーサンが脅威過ぎて、里菜が直立不動になっちゃってますよ!」
「失礼ねぇ。怖くないわよね?あ、あたしも里菜って呼ばせてもらっていいかな?あたしは和美でいいわ」
「はい、もちろんです。和美さんは、なんだろう?堂々としてらっしゃるから、思わず飲み込まれそうになります!」
いかにも仕事ができる風貌の和美さんは、ひと目見てみんなを虜にしてしまう美しさ。
「あら!この子ったら嬉しい事を言ってくれるわね!茜たちとは大違いだわ!」
美しき女性なのに、茜と真理ちゃんに向かって「シャー!」と猫のように威嚇している姿は、かわいらしさも持ち合わせている様子。
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