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「和美ぃ!!」
前の席から、われらがボスのお声がかかり
「へいへい!」
と、しぶしぶ立ち上がるが顔は笑顔の和美さん。
とても上司に向かっての返事とは思えない返事を返す和美さんは、おそらくプライベートでも課長とは親しいのだと言う事が伝わる。
「っね?あの二人って」
顔を前の席の茜の方まで近づけて小声で聞くと
「ピンポーン!」
人差し指を立ててニヤリとした顔で答えてくれた。
ふふ、そう言う事か・・・・・
「本当は、粟野課長の補佐は和美ネーサンにやらせたいんだと思うけど、公私混同と取られちゃうかもしれないもんね」
今度は茜の方から顔をあたしの方に出して教えてくれるが、その顔はなにか企んでいる顔だね?
「さっき、里菜さんに打ち込みを頼んだのが和美ネーサンのコンビの向井さんです」
えっと?和美さんの相手が向井さんで、茜の相手が見延さんで・・・・
和美さんの恋のお相手が粟野課長で・・・・・
「ねえ、ここの会社って社内恋愛は平気なの?」
「あ、平気みたいだね。別になにか言われた事もないし」
「って事は、茜の相手もここの社員っか!」
「___ ッグ! ヤラレタ!」
大袈裟に胸を押さえる茜。
それを見て笑っている課長と和美さんが顔を見合わせて、また二人一緒に笑っている。
いいな・・・・相手の事を信頼して、信じて、なにも疑わないで笑っていられる関係・・・・・・羨ましい。
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