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「原子炉なんて高校にない。核エネルギーで何がしたかったんだよ」
さすがの優我も突っ込むしかなかった。本当にこの段ボール箱の中身はカオスだ。
「あの先生。興味があることは何でも調べるタイプだったんだよ。だから科学コンテストの内容もなかなか決まらない有様でさ。俺たちも一年の時に似たような突っ込みを連発したな」
昔を懐かしむ莉音が開いた段ボール箱の中には謎の巻物があった。開いてみると江戸時代くらいに書かれたものであるらしい。まさか古文書の解明からさせようとしていたのだろうか。残念ながら古典が得意な人材は科学部にはいない。
「この中から探すのか」
これは変人たちの足跡だ。そう思うと桜太は呆気に取られるしかない。
「まあ、夏休みは始まったばっかりだし。科学部の歴史を知るのもいいことだよ」
桜太の横にいた楓翔がそんな慰めの言葉を掛けてくる。そんな夏休みは嫌なのだが、文句を言っていてもしかたない。
「ともかく、分類しよう」
何とか気力を取り戻した桜太はそう提案したのだった。
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