始まりは‥
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『こちらに居られましたか。琥珀さま。』 名前を呼ばれ、咄嗟に手に持っていた帖を後ろに隠し振りかえると… そこには漢服を身に纏い、両拳を合わせ、頭垂れる白い髭を囃した老人がいた 「……私のことは様付けしなくていいですよ。それに私よりもあなたのほうが年齢が上なのですから呼び捨てで良いと…」 前にも言ったはずですが、と困惑気に顔をしかめる琥珀に老人は尚も顔を上げずにいる。 .
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