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「…確か天界にいた、はずなのに… いつの間に…」
琥珀に僅かに動揺が走る。しかし、それも一瞬のことですぐに無表情へと変わった。
「おう!この間まで天界にいたんだけどなっ!俺が天界にばかりいたら地獄にいるお前らが可哀想だと思ってな!!」
………可哀想?私たちが?彼はおかしなことを言いますね
「なぜ、可哀想なんですか?」
「だって!俺は神の愛し子なんだろ!だから勇者になれたんだって!!あいつらが言ってたから!!俺はみんなに愛されるって… 愛されるべき存分だからって!!」
「はぁ……。」
…愛されて当然だという勇者様にどう答えたらいいのか分からず、なんとも気の抜けた相づちを返してしまいました。
「あいつらとは… 誰が言っていたのでしょうか」
「ん?天使の連中に… 此処の奴らも言ってたぞ!」
「…………そうですか」
彼らは何を根拠にそのようなことを言ったのでしょうか?
「なぁなぁ琥珀!!お前、仕事ばっかじゃん!そんなの、放っておいて一緒に遊ぼうぜ!!」
「………………はい?」
勇者様から放たれた言葉に驚いてしまった私は、目を何度か瞬きした。
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