プロローグ

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 黒煙が上がる戦場を蒼い閃光が走り抜ける。  それは、次々と迫り来る己が敵を薙ぎ払っていった。  無数の兵士が、枯れ葉のごとく舞い上がり散っていく。  理不尽とも思えるその力。戦場を縦横無尽に動き、暴れまわるさまはまさしく武神のようだった。  その蒼い閃光に、紅い閃光がぶつかる。同等の力がぶつかり合った衝撃は、地面を抉り空気その物を揺るがせた。  何人もの兵士が、衝撃に耐えきれず吹き飛ばされていく。 「待っていたぞ、蒼牙!」  紅い閃光を発している男が、追撃の蹴りを繰り出す。  守りが手薄となっていた腹部に直撃。押し上がってきた胃の内容物をぐっと堪え、踏み止まる。 「こっちとらぁ、会いたかなかったよ…………」  嬉々として邂逅を喜ぶ男に対し、蒼牙は悪態を付く。  平然と会話をする二人だが、激闘をしている真っ最中だ。常人で見切ることの出来ない早さで攻防を繰り広げている。
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