プロローグ

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 二人の激闘に、参戦しようとする兵士はいない。それは、当然と言えた。  いるとしたら、同じ次元に立った者だけだろう。 「アハハハハッ!!!! 愉しいなぁ! 蒼牙ぁ!!」 「愉しかねぇよ、この戦闘狂が!!」  槍と刀がぶつかり合う。防ぎ、攻め、避ける、互いに全身全霊の力を振り絞り戦う。  が、二人の実力は拮抗しており、決着が着かずにいた。 「そろそろ、終わりにするか」 「おいおい、何言ってんだ? まだこれからだろ? おいぃ!!!」  この膠着(こうちゃく)状態に痺れをきたした蒼牙は、自身を覆うオーラを最大限に高めていく。  それに張り合うように男もオーラを最大限に高めていった。 「蒼牙!! それ以上力を使ったら────」  蒼牙の親友にして次期国王の呂伯(りょはく)が駆け寄ろうとする。しかし、二人から発せられるオーラによって近付くことすら困難となっていた。  
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