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増やせるだけ増やすための時間帯が設定され、その次に削れるだけ削るための時間帯が設定される。そのような作業を交互に執拗に続けているうちに、振幅はだんだん小さくなり、文章量は自然に落ち着くべきところに落ち着く。これ以上増やせないし、これ以上は削れないという地点に到達する。エゴが削り取られ、余分な修飾語が振るい落とされ、、見え透いた論理が奥の部屋に引き下がる。
『1Q84』村上春樹
「まず、骨格と筋肉をつける。それにぜい肉をつけ加える。そうして、ぜい肉を削る。鼻がなければ、鼻を足す。目が三つあれば、一つ取る。そうやって、整えながらいらないものをなくしていく」
「冒頭の部分に『方丈記』に加えて『奥の細道』の冒頭、『月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして、旅を栖とす』を加えようとしたけれど、取りましたね。やはり、冗長なんですね」
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