第1章

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「知・情・意を並べて対比して、『今自分のいる場所を楽しくすることを考えよう』と訴えているんですね」 「人間の本質を短い言葉にうまくまとめると『なるほど感』が生まれる。短くて覚えやすいと多くの人に知られるようになる。出だしは、小説の本体の方向性を示していなければならない。キャッチで惹きつけられて読んでいたら、全く関係なかったではいけない。『草枕』の出だしは、本体の主題を端的に表したものだ」 「私は外海(とかい)健吾と言います。田舎に住んでいてもトカイです。売れない小説を書いています。よろしく」 「私は中田秀夫です。小説を何とか書きたいのでぜひ教えて下さい」 喫茶店でのとくいの銀行を通しての出会いから、この文章は始まるのだ。
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