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顔をしかめた希歩の細い腰を抱き寄せて、頬と頬をくっつけた。
「おまえに必要以上に近づいたのは、俺を意識させたかったのと、おまえに触れたかったから。それは今も変わらない。」
「もう!私がどれだけドキドキさせられたと思ってるんですか?!」
尖らせた希歩の口を強引に自分の口で塞いだ。
「今も?」
掠れた声で尋ねれば、しっとりしたアルトが答える。
「今も。」
「じゃあ、おいで。もっと触れ合ってドキドキさせてやる。」
希歩の手を握って2階へと上がっていく。
バカみたいに興奮して速くなっている鼓動が指先から希歩に伝わっているんじゃないかと恥ずかしくなる。
それでも、やっぱり。
この手だけは放したくない。
END
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