君がいたあの夏は

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鬱陶しい雨が上がって、青空が広がるたびに思い出す。 私の隣で笑って、はしゃいでいた君を。 持ってきた傘が意味をなさなくなって、重いとぼやく私に、 透明の傘から晴れた空を見上げれば、光が反射して、景色がより一層綺麗に見えると言った君を。 今日、長かった梅雨がやっとあけて、 また清々しいほどの青空が広がった。 私は、もう隣にはいない君を思いながら、一人でビニール傘をひろげる。 この、ビニールごしに見える景色は、何度見ても美しいけれど、 どこか物足りないんだ。 B「そうか。 君がいたあの夏は、もう戻ってこないんだね。 君が隣りにいないから、ものたりないんだ」 私は空を見上げながら、一人涙をこぼした。 私の名前をよんで微笑む君が、見えたような気がした。
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