銀河鉄道の夜を読んだ夜に~第五章~

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ジョパンニとカムパネルラは実はちゃんと再会している。 いつも同じベッドで生まれ変わりのその時が来るまで、一緒に深い眠りについているんだ。 だが、七夕の夜だけ彼らは、地球に降り立つ。 そう。目覚めると『銀河鉄道の夜』を読んだ誰かのところに行くんだ。 いつも一緒なのに、目覚めているときは隣にいない親友を探して、手がかりを探すんだ。 だが、カムパネルラは会った誰かが時計を見ると目覚めの時間が終わり、ジョパンニは名前を呼ばれると目覚めの時間が終わる。 僕は、きっと、これは織姫と彦星の手だてだと思ってる。 想いあっても年一回しか会えない織姫と彦星が、想い合うカムパネルラとジョパンニに一緒の時間を与えたかったのだろう。
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