『生活不能な私と世話焼きな彼』

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『生活不能な私と世話焼きな彼』 「私と一緒に、寝て、くれません、か?」 私――倉橋ちづるがそういうと、目の前の男――来嶋大希は大きなため息をついた。 淋しくて、ひとりで眠ることができないちづる。 大学入学して、ひとり暮らしを始めて。 薬でどうにか眠っていたものの、やはりぐっすり眠れないので来嶋に添い寝を頼んだわけだったが。 どうしてため息をつかれるのか理解できない。 そんなちづるを注意しながらも、来嶋はちづるの願いを聞き入れる。 ちづると来嶋が出会ったのは、まだ夏になる前。 ひとりだとまともに生活できない癖に、ひとり暮らしなんか始めたちづるはある日、空腹で倒れてしまう。 そんなちづるを医務室に運んだのが、来嶋だった。
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