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「崎川さん……ほんと、ごめん、あの……」
「別に、平気だよ。もう慣れたから」
「でも、泣いてる」
「え?」
「崎川さん泣いてるよ」
椎葉くんに言われて気づいた。
私……泣いてる?
なんで泣いてるんだろう。
「あの、俺でよかったら話…聞くから。俺の事、女だと思って!」
「ふふっ……ありがとう」
「お、おう…じゃなくて、『ええ』?」
「ふふっ…女の子、『ええ』とかあんまり使わないよ」
「そ、そっか」
「うん」
椎葉くんは静かにハンカチを差し出してくれた。
私は男なんて嫌いなのに、そのハンカチに顔を埋めて泣いてしまった。
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