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「ほら、行くよ」
椎葉くんはそう言って私の手を掴んで図書準備室に向かった。
「だから、触らないでって……」
「あ、ごめん」
椎葉くんはパッと手を離してくれた。
「……」
「……」
気まずくなって私たちは無言で準備室まで歩いた。
「えっと、俺、崎川さんと話がしたくて……でも、昼休みになったらすぐどっかいなくなるし……」
そりゃそうだ。女子たちの声を聞いただけで椎葉くんが来たとわかるから。
私はいつも逃げていた。
だって、こういう男に関わると色々めんどくさいって学んだから。
「俺、崎川さんのこと……その、好きになっちゃったのかも……」
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