37人が本棚に入れています
本棚に追加
「断片のコードを読ませて、プログラムを類推するプログラムを作りませんか?」
智頭が提案した。
「そこで使うロジックは?」
すかさず、阿倍が質問を投げる。
「順列組合せです」
「あほか!」
エンジニアたちは、モニターをにらみながら考えた。
いつまでたっても、分散活動している核になるファイルは想像できない。
長い時が経つと、船をこぐ者まであらわれはじめる。
「あのう……」
帆花が手を上げた。
「なんだ?」
「コードではないのですが、バージョンアップ時のデータの発信元を追跡してみたのです」
「見つかったのか?」
「ええ。インドでした」
「踏み台ではないのだな?」
「間違いありません。インドの教会から発信されていました」
「教会?」
「ええ。バラモン教徒が集まる教会でした」
それは、阿倍には縁のない場所だ。
立っていては目立つので、腰を落として誰かの発言を待った。
「よく見つけましたね。そっちらはインド警察とCIAに任せましょう」
阿倍が口を開かないので、藤堂が結論を出した。
最初のコメントを投稿しよう!