エピローグ

6/7
1076人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
博己は私が言いづらそうにしてるのを、なんだろう?、って顔で見ている。 「好きな人の噂話聞いて、やきもちやくような女にだけは、成り下がりたくないの。だから聞こえない場所に行く」 「僕は、やきもちやかれるのも、悪くないけどね」 「なら尚更聞きたくない。博己に負けるの嫌だから」 「それ、負けたになるの?」 「なるよ」 「可愛い」 「止めて、むしずが走る」 「じゃあ、もう言わない」 「たまになら、言ってもいい」 「なら、たまに言う」 二人して笑って、ふと私は窓の方を見た。 雨の音は、まだ聞こえている。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!