悪魔の提案

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「こんな状態がいつまでも続くなら、もう逢わない。終わりにする」 四度目の別れ際、ホテルの駐車場で、桔平に言った。 「そうか、わかった」 彼は、あっさりと私を切り捨てた。 何もないまま。 終わりを切り出したのはこっちなのに、あっけない最後に、途端に寂しくなった。 けれど桔平の返事には、まだ続きがあった。 「そんなに体が欲しいなら、くれてやる。ただし、俺のじゃないけどな」 「どういう意味?」 「俺が選んだ男と寝ろ」 耳を疑った。
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