洗脳と貪る快楽と、消えた腕まくら

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裸の体に布団を掛けると、それが部屋から男の出る合図。 鍵の閉まる音でスカーフを外し、光を取り戻す。 以前なら、目を開ければそこに博己がいた。 でも腕まくらをしてくれる優しい男はもういない。 博己が私を抱いた証拠も、何もかも残っていない。 私は、独り。 独りぼっちだった。 このどうしようもない寂しさは、洗脳に自ら暗示をかけた。 ここにいたのは桔平だ。 博己じゃない。 私を現実でも抱いたのは、一番恋しくて、一番憎い、あの男だと。
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