ちぐはぐな二人

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 父は根っからのアナログ人間で、母はネットやゲームをするなど割と何でもそつなくこなす。  しかしウチで携帯を所持しているのは自分と父だけである。 「私もそろそろ携帯が欲しいわ」 「どうせあっても使わないだろう。家の電話で十分」  その言葉はブーメランでした。父もよく携帯を携帯せずに散歩に行ったりとかします。 「じゃあ私が出掛ける時だけ貸してよ」 「無くされたら困るし、知り合いから連絡が来るかもしれんからダメだ」  何か見られたら都合の悪い物でもあるのだろうか。その割にはいつもテーブルの上に放置してるしそれはないか。  母はそのうち百人一首のサークルに入り、「メンバーとやり取りしたいし、私だけ持ってないのは--」と強引に説得。  結局父は折れ、母は念願の携帯を手にする事ができました。今では父以上に使いこなしています。
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