筆者の作者

ちぐはぐな二人

　極めつけは食事。

　父は肉、魚、野菜何でも好きだ。嫌いな物は特に無く、要は雑食系です。

　一方母は、肉を食べない菜食主義者。生の肉は見るのも嫌だとか。

　でも料理するのは母。父が好きだからと我慢して肉を調理する。

　だがとうとう嫌気がさし、ついに説得を試みた。

　ちなみに以下の母の話はただの個人的見解です。念のため。

「お肉って確かに美味しいだろうけど健康には良くないんですって。家畜の餌だって何を使ってるか分からないし」

「知らん。今更身体の事など気にしてもしょうがない。残り僅かな人生、美味いもん食って過ごせればそれでいい」

「人間の勝手で狭い小屋で飼育され殺されてるのよ。かわいそうだと思わない？」

「その死を無駄にしない為にも食うんだろ」

　こればっかりは父は聞く耳持たずだった。

　しかしその代わりに影響を受けやすい自分は母の話にすっかり触発され、肉を食べる気がなくなった。

　身近に賛同者ができた事で、母は何とか気を鎮めてくれた。