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「そうですね。ところで真里さん」
マスターは真里の方をチラリと一瞥した。
「なに?」
「今日は何時もよりお店にいらっしゃいますが、お仕事はいかれないんですか?」
真里が仕事にもいかず、店内で事件の推理をしている事に疑問を持ったのだ。
「いいのよ。仕事はもう終わったから」
真里は残りのブラッディーマリーを飲み干すと、もう一杯注文した。
「終わった?」マスターは次の一杯をステアし始めながら、真里に質問を続けた。
「真里さんは、ひょっとして赤井さんを殺害した犯人じゃ......」
あまりにも唐突な言葉に真理はフッと不敵な笑みを浮かべ、挑発的な視線を送る。
「そう推理する根拠は?」
「真里さんはやけに今回の事件に詳しいようですし、仕事と言うのは、殺人の事ではないかと思います。ここで決まってブラッディーマリーを注文されるのは、血液と同じ色の液体を見ると殺人鬼のスイッチが入る性格なんじゃないですか?」
確かにマスターより真里の推理が的を射ており、仕事とは口にはしているが、業務内容には触れていないので隠していると思われるのも無理はない。
「外れね、アルコールの入った状態で急所は正確に狙えないわよ。それにそのタイミングでスイッチが入ったらマスターが先にやられてるわよ。じゃあ私の推理いいかしら?」
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