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ここはエブリスタ学園。
部活も生徒会も盛んで、生徒の主体性を尊重する自由な校風が売りだ。
私、三谷 香穂(みたに かほ) はこの学園の2年生。
一応特進クラスに在籍している。
ただし、国語の成績だけはーー
「おい、三谷! 国語また赤点ギリだぞ。
他の教科はいいんだからもっと国語に力入れろ」
現国の先生であり担任の原先生が、答案用紙を返しながら小言を言った。
国語に力を入れても出来ないんだからしょうがないじゃない。
私は「はぁい」と生返事をした。
「次、深山。 今回も満点だ」
周りから「おぉ~」と感嘆の声が上がった。
しかし、当の本人は一切嬉しそうな顔を見せずに私とすれ違い、教壇に向かった。
深山 祐(みやま ゆう)。
黒髪短髪、中肉中背よりは少し細身。
学年1の秀才だ。
言葉数は少なく、無表情。
クールと言えば聞こえはいいが、私からすればただの無愛想。
高1から同じクラスで、名簿順で並ぶ席は常に前後。 それなのにほとんど話したことがなかった。
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