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「あっ……、お兄ちゃん。私、あのかき氷が食べたい!!」
「奈々は、いちごの練乳がけのかき氷が、大好きだもんな~。よし、買いに行こう。」
……変にざわつく気持ちを誤魔化すように。
キンキンに冷えたかき氷を、私は何口か口に放り込んだ。
キーンと頭に響き渡るその冷たさは、火照った気持ちも同時に冷やしていく。
そのおかげで、私は何とか冷静さを取り戻す事ができた。
ーーーードドーン!! パラパラパラ。
その時、大きな音と共に、夜空に大輪の花が咲いた。
色とりどりの光が、暗闇を美しく明るく照らす。
「わぁ……今年も花火が綺麗~。」
「よし!! じゃあ、今年もいつもの“特等席”に、花火を見に行くか?」
「うんっ!!」
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