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バイトもしたし、さぼって遊び歩く事もした。 酒が飲める年になった時は、 友達と一人暮らしの部屋で、安い酒を飲み潰れ… それもいつしか、自分の適量を知り、潰れないように飲む飲み方も覚えた。 そんな生活も長くは続かず、ギリギリで進級し、無事に卒業の年度を迎えるころは、 就職活動で忙しくなった。 「山内は出版関係か…」 文学部のボクは第一志望に出版関係の仕事を希望していた。 就職難の最中、希望は希望でしかなく、 いつの間にか妥協点を見つけ、 最初の志望なんてどこに?と言うような企業に就職するか、 2年後の世間が変わっている事を祈りながら院に進むか…と言うような友達もいた。 鬱積とした高校生活と違い、 兄の気配など一切無い大学生活は、 ボクのタガを簡単に外してくれた。 良い生徒ではなかったボクは 出版関係の仕事なんて夢のまた夢だと思っていたし、 最悪は地元に戻り、その辺の会社に入れはしないか…と思っていた。
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