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地元に戻り、公務員試験でも受けようかな…と思っていた。 そのために少し勉強しないといけないとは思ったけど、 住まいは実家があるから、何とかなるだろう…と 就職先を検討しようと考えていた。 「ここ…どうだ。」 就職担当の先生に出されたのは、 身の丈に合ってない出版社のパンフレット。 大手でもないが、消えてしまうような小さなものと言う訳でもない。 「ここの大学の…卒業生が何人かいて… 縁故って訳じゃないが、若干…融通はきく。 挑戦してみるのも…良いと思う。」 ボソッと先生が言う為、 「え?」 戸惑った返事しかできず、もう一度パンフレットを見つめる。 「人事担当は…お前と同じ高校からこの大学に入り卒業した。 だから、多分…お前なら…かわいがってもらえると思う。」 先生の言葉に後押しされて、 ボクは「挑戦…したいです。」と 時間も置かずに返事をした。
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