ボクと彼女の生きる道

１

その後…トントン拍子で最終面接まで進んだ。

面白いように進んでいく様に、
どこで『嘘でしたー！』って言われるんじゃないかと思っていた。

着なれないスーツ。
する事がほとんどなかったネクタイも、
試験の度にするので、上手に結べるようになった。

最終面接を終え、合否の結果は郵送でお送りいたします。と言うあいさつの後で
「本日はお忙しい中、弊社試験に足をお運び戴きありがとうございました。」と言う挨拶を戴き
何となく落ちても良いや…と言う気持ちになれた。

沢山この会社に入りたいと言う人はいただろう。
何度かあった試験の度に、この言葉が聞かされた。

吐き捨てるほどいる志願者にこういった心配りをしてくださる会社の
最終試験に残れただけでも本望だ。

散るなら散ればいい。

もし…どこの内定ももらえなかったら…
公務員試験向けの専門学校に通い
公務員試験を受ける事を親には伝えた。

『好きにしなさい…』と言ってくれた両親は
見捨てたわけでもなく、見限った訳でもなく、

最後まで…諦めずに自分の道を選びぬきなさい…という意味合いで
その言葉をかけてくれた。