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「懐かしいな…何年…帰ってないかな。」 新垣さんは寂しそうに視線を細め、 その視線はボクを通り越していた。 多分、ボクの向こう側に故郷の風景を思い浮かべているのだろう。 「山や…川は、変わっていません。」 変わったら困るだろ…と心の中で乗り突っ込みを自分でしたが、 「それが変わったら、もうニュースになってるだろっ。」 新垣さんが先に笑ってくれてお蔭で助かった。 「色々と…ありがとうございました。」 ボクが最終選考に残れたのは、 多分この人のお蔭だろう。 もう会うことが無いかも知れないだけに 後悔は残したくなかった…。
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