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なので、その頃の兄は ボクと一緒にマンガ本を読んだりしていたはずなのに 突然勉強を始め、塾に通いだし、 念願のその学校に入学を決めた。 その3年後… ボクは拒否権も無くその学校の受験をする事は決まっていた。 『お兄ちゃんは出来たのに…ねぇ…』と言われるのも そう見られるのも嫌だったボクは、 隠れた場所で必死に努力を重ね、 無事に入学を決めた。 同級生との別れは寂しかったけど、 結局地元の中学に行ったとしても ボクは10人程度の顔見知りと一緒に入学できるだけだ。 その年以降、様子を見ながら、 通学区をどんどんと抉り、 生徒数の格差を埋めて行くのが市の方針らしいけど、 どう考えても、発展している場所にもう一校作るのが 一番理想的な形だとみんながみんな思っていた。
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