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なので両親は出来るだけ地元ではなく色々な所に肌で触れ どこで生きていくかは自分で決めてくれ…と言うのが 酔って話す最後の話だった。 この話を終えると 「お父さんはもう寝るよ。」 そう言って寝室に行ってしまうのだ。 ボクはどこで生きていくのかなんて、 考える余裕も無かったし、 毎日の通学電車は、途中の駅まで偏差値の低い高校生と一緒なので、 ギューギューだし、 とにかく最初の1年間はだぼついた制服の生地の肌さわりが嫌だった。 余り良い記憶では無いと思う。 3年間通学をしていた兄はどこが快適に過ごせるかを知っていたため、 背の低いボクをその場所に立たせ、 その隣にいつも立ち、空いた席を見つけ次第 周りを伺った後で大丈夫だったのなら ボクに座るよう促してくれた。
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