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晴樹が見ているのに行儀が悪いと、取り上げた携帯からイヤホンを引き抜いた!
…と、操作中だった携帯から音声が流れ出す。
『…ゃって~、真夜中にヤらしいことするのが真さんの目的っしょ?』
『キョンが望むなら、俺は夜の診察でも構わねぇぜ?』
「…」
「…」
夏月を見上げる恭賀の、きょとんとした顔…
“…するのが真さんの目的~”
「―――ハッ、真さん!」
真さんの正体に合点がいき、夏月は盛大に怯えた。
(こ、これは…!)
最近、CMでも見かけるようになった、女の子や男の子が二次元のキャラクターに恋をするゲーム!!
しかし…この音声から推測するに、このゲームのジャンルは…
「パ…パパさんは、ママさんだったんですか!??」
「は…はぁぁぁあっ?! ちょ、混乱のあまり訳が分からなくなってるよ!?」
恭賀は吐き捨てると同時に、びんびんに両手で引っ張っていたイヤホンを夏月からむしり返した。
ぐちゃぐちゃっと丸め、携帯共々ポケットに押し込む。
よほど恥ずかしかったのか、恭賀は耳まで赤くなっていた。
(いやいや。この場合は、痛みわけであって…)
「ハ、ハレンチです!」
「…」
「…え?」
(なんで、うれしそう…?)
「ごめん、今のもっかい言ってもらえるかな?」
「え、え??」
「…やっぱ、なんでもない、かな?」
(訳が分からないよ…)
ドキドキの収まりかけで、むず痒そうに唇を尖らせ、夏月を見る。
「誤解してるかもしれないから言っとくけど!」
目が合うと、恭賀は何か言いたそうな素振りを見せておきながら、うぐっと言葉を詰まらせた。
視線を泳がせ、咳払いをひとつ。改めて口を開いた。
「…俺が変態であることは認めます」
「へ…えぇぇぇえっ!??」
「そこ! ドン引きしないっ」
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