6.リハビリ病院

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守護神がリハビリをした病院では、医者や看護師、そして守護神を見て勇気付けられた患者達がテレビ観戦をしていた。 高く上がったポール際の打球が僅かに外に流れていく。 見ている全ての人が安堵の声を上げ、ほっと胸を撫で下ろした。 全員文字の書かれたボールは握って応援している。それは守護神が彼らの目の前で書いた、直筆のサインボールだ。 「負けるな! 頑張れ!」 車椅子の男は声を上げる。 歩ける様になるかは分からない。そう言われた彼が今必死にリハビリに取り組んでいるのは、同じように苦しみながらも耐え忍んでいた守護神を見ていたからだ。 「みんなあんたを見てるんだよ。負けるんじゃないよ」 老婆も声を上げる。 彼女も歳を言い訳にしたりしない。必死にリハビリに臨んでいる。 ここにいる全員が復活しようと頑張る守護神に背中を押されてきた。 だから今度は俺らが背中を押す番だ。 と誰もが思っているのだ。 ツーボールツーストライク。 大きなファールの後。 次で決まる。 口には出さないが、皆がそう感じていた。 守護神が今日初めて、捕手のサインに首を横に振る。 「ストレートだ」 誰かが呟いた。 今までフォークボールを投げ続けてきた守護神が投げる、今日初めてのストレート。 守護神は振りかぶった。 誰もが固唾を呑む。 そうして腕が振り下ろされた。
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