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ユリに囲まれている寝るとユリの香りに含まれる成分で死に至ることもあると、聞いたことがある。
それを初めて聞いた時は、ユリが怖くなった。
それでも、このユリの姿と薫りには魅力が溢れて嫌いになれずますますユリというものに引き込まれていく。
さっき見た校庭にひっそりと、でも、存在を主張するかのようなアジサイとはまた違う、品のある魅力ある花だ。
華やかで美しい花というと人はみな何故かバラと答える。
確かに、バラは華やかで美しい。
それでも、わたしは、儚げな美しさと妖しい香り、凛とした佇まいをもつユリを愛せずにはいられない……
わたしがゆりに囲まれている姿をもし、クラスの誰かが見たとしたらそれは、滑稽で似合わないとでも笑って言うのだろう。
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