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放課後。
今日から部活の体験入部だ。
俺と水沢は、女子しか見当たらない吹奏楽部へ向かった。
歩いていると、水沢はいろんな人にかっこいいとキャーキャー言われていた。
…本人は気取ることなんて全くなく、窓にとまったスズメをじっと見ていた。
なんていうか、ゲェーン…ってなった。
「藤原さん、藤原さん」
水沢は俺にこそっと呼んだ。
「ん?」
「藤原さんすごい見られてるよ」
…嫌味か?
「お前だろ。水沢柊夜くんかっこいーって言われてんぞ、そこら中で」
いやぁもう、なんていうか、悲しいよ。
みずさわくんはいいですねー、スズメ見ててかっこいいと言われるんだから。
「…え、何言ってんの!はは、藤原さんが言われてるのに!」
「は」
「?」
えぇぇー…笑ってるよこのひと。自覚ねぇのかよ…。
「いやまじで…水沢だろ…。」
「…えっ。僕?ありえないよ」
「なんでそこまで言えるんだよ」
「…だって僕スズメ見てたし…」
「…確かにそれは…」
それを言われたら答えようがないぞ…。
「…ふぅ…。そこのイケメンくん二人組体験入部ならこっちきて!そこにいられると関係ない女子がくるから!」
吹奏楽部の先輩らしきひとに呼ばれた。
「おい、早く行くぞイケメンくん。」
「うん。イケメンくんは藤原さんだけど、なんか怒られちゃったね。」
まだ言うのかよ、と思ったけどもう言い返す気にもならなくなった。
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