II. 夜

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音楽準備室に連れて行かれると、机と椅子があった。 先輩に促されて座った。 「まず、二人は経験者?吹奏楽部は女子ばっかりだけど、やっていける?イケメンくんだから、もし女子に囲まれようと、とか目的だったらいらないし帰って」 急にあれこれ話しだした先輩に、二人で呆気にとられる。 しかも、言い方がきつい。 「ちょっと、副部長!男子部員貴重なんじゃ…」 この人は副部長、なのか。 「邪魔になるならいらないよ」 副部長の迫力に、話しかけた部員が、引き下がる。 気まずい空気が流れる。 「あの…大丈夫ですー。僕はドラムが大好きで来ただけです。女子は…逆にちょっと苦手ですが…」 さすが水沢、空気なんて関係なく行動できるなんて羨ましいぞ! しかも恨まれることもなく、だ。 そして、俺もいま話すべきだと察知した。 「俺も、水沢と似たような感じで…、パーカッションやりたくてきました。女子はきっと水沢に行くので俺は関係ないですし。」 沈黙が続く副部長さん。 「…ならいいよ。むしろ歓迎。入部届け、もらうよ。」 「「あ、ありがとうございます!」」 「ねーきいてきいて!イケメン二人入部だって!!」 「え、マジ!?」 遠くで部員が騒いでいた。 「…ごめんね、うるさくて。」 怖そうな副部長が謝ったことに二人で驚く。 「じゃあ、うちの部の説明するね。まず私は、ここの副部長やってます。トランペットの桜井です。よろしく。」 急に、桜井先輩の雰囲気が穏やかになった。 「よ、よろしくおねがいします」 「…おねがいします」 「そして、ここが問題。部員、何人か知ってる?」 「え…普通は50にんくらい…ですか?」 「50人か…そこそこ強いところだったら100人超えてたりもするんだよ。」 「え、そんなにですか!?」 「うん。まぁ、うちは超過疎部。コンクールは毎回小編成で、結果は銅賞。顧問の先生が、音楽と無縁だったような人だからっていうのもあるけど…。まず、やる気がない。でもね!今年は強豪からきた先生だから、どうにか変わるかもしれない。ハードになっても、ついていける?それも重要。」 俺と水沢はお互い一瞬顔を見合って、すぐ先輩に向かった。 「「大丈夫です」」 「…そっか。頼もしいよ。あ、部員はこの紙に書いてあるから。」
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