II. 夜

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ー 次の日。 "明日放課後にまた来てね"と昨日言われたから、2人でまた音楽室へ向かった。 副部長さんを見つかると、また準備室へ案内された。 「今日は各パートに分かれて体験みたいな感じだから、パーカッションにいってらっしゃい。先輩多分頼りないけど、一応先輩だしちゃんと敬ってね。」 「「は、はい…」」 パーカッションパートは音楽室だからと言われたから、隣の音楽室へ移動した。 「「失礼します」」 「わ、パーカの2人?!」 小さめの先輩が走ってきた。 「いやぁーおれ一人だったからうれしいよ!よろしく、武田です!」 気さくな先輩で、ほっとした。 「僕は水沢柊夜で、ピアノとドラムやってます、よろしくお願いします…」 「俺は藤原朝日で、ギターとベースやってます、よろしくお願いします!」 「おぉ~!2人とも2つできるんだ!すごいなぁー!おれは、もちろん全体的にやってるけど、シンバルが本職って感じ!」 「あの…、僕たち吹奏楽部自体は初めてなんですが…」 珍しく水沢が発言した。 それだけなのに、ちょっとびっくりした。 武田先輩は、嬉しそうだ。 「大丈夫大丈夫!楽器できるだけ本当に助かる!」 「…そうですか…」 「今日はパートで体験とか言われたけど、経験者だったら何しよっかー」 武田先輩は、うーん…、と絵にかいたようなポーズをとる。 さりげなく、真似をしてみた。 「ふ、藤原…さん…ダメ…」 ひそひそ声で水沢が話しかけてくる。 でも、笑いすぎている水沢の声は伝わってこない。
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