9人が本棚に入れています
本棚に追加
「おーい2人とも~!水沢くん藤原くん!窓閉め行くよ!」
ぶんぶんと手を振る武田先輩が人混みの中見えた。
「「…!?」」
とにかく先輩のいる入口に行く。
先輩はなんだか嬉しそうだ。
「吹奏楽部って、パート練習するときにたくさん教室使うだろ?だから、戸締まりも徹底的にするために、曜日で分担してるんだ。だから今日みたいに木曜日はパーカがそれをする!わかった?」
窓を見ながら、歩きながら説明をしてくれる。
「あ、はい!」
水沢は、黙ったままペコっとした。
「あ!水沢くんと藤原くん!忘れるところだった…危ない危ない」
武田先輩がカバンの中をゴソゴソとあさる。
「「?」」
「これ!クラスの女子に渡してって言われたんだ!」
俺達の手に渡されたのは、また手紙だった。
水沢の量の多さに、水沢もひいていた。
「いやぁーすごいね2人とも!おれ、2人見てたらやる気出てくるよ!」
な、なんでだ!?
水沢をちらっと見てみると、大量の手紙を見て、何かつぶやいた。
「水沢?」
「…?あ、なんでもない」
「?言えよ」
「いや…何のために…こんな手紙書いてくれるんだろうって」
「「…………」」
確かに、そうだよな。
そんな大量にもらっても、わけわかんねーな。
「僕が知らない人なんて…僕のこと本当に知らないし…。きっと本当に好きってわけじゃないんだろうから」
「そうだよね…おれからしたら羨ましく思ったりするけど、好きって気持ちって、そんな簡単じゃないよね」
「「「……………」」」
最初のコメントを投稿しよう!