Ⅲ. 朝と夜

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夏休み中の登校日。 「おい水沢ー?お前吹奏楽部だろ?」 「…あぁ…まぁ…。」 柊夜と同じクラスの宮田が話しかけた。 「俺、優音ちゃんに話してーことあるから呼んでくんね?!」 「…は、はい…?何それ、自分でやってよ。」 なんかこいつは危ないにおいがする、と柊夜は警戒した。 「水沢ーー!そんなこと言うなって!だって優音ちゃんって、男子と話さねーし…いつも強いガードしてる友達いんじゃん!」 …あ、新井はまあ、確かに。 「…黙ってねぇで頼むよー!」 「ちょっと聞きたいんだけど…。」 「おう!なんだ!?」 「川上…さんって、男子と話したことないの?」 「ないんじゃね?誰も見たことねぇーし。」 「……そう。どーも。じゃ。」 柊夜は軽く会釈して、宮田の横を通り過ぎる。 「おう!……って、はぁ!?俺の頼み無視!?もしかして優音ちゃんに興味あんの!?天使だから無理だかんな!?」 柊夜は足を止めて、ちらっと宮田を見た。 「……あれ、お前…川上さんと話そうとしてんじゃねーの?」 「…あ、や、…水沢ーー!」 「…やってみれば。…但し、ガードはいる。」 「……か、かっけぇ……。そうだよな…。確かに俺が頑張るしか……って、おい!水沢どこ行った!?」 宮田は水沢を探し回る。 クラスの女子には、うるさい宮田!と怒られた。
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