Ⅲ. 朝と夜

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正直、嫌だ。 川上さんが宮田と話すとか。 いや、川上さんは話さないと思うけど…。 違う、話さないだろうから危ないんだ。 あいつが何するかはわかんない。 無理やり何か言わせようとするかもしれない。 あーー…やっぱりだめだ。 川上さんはどうしても守らないと…。 「水沢?何暗い顔してんの」 「新井」 柊夜は、たまたますれ違った新井に名前を呼ばれて我に返る。 「…川上さんが」 「何!?何、優音が何かあったの!?」 「あ、いや…」 新井の必死な顔。 「はやく!教えて!」 「クラスの宮田っていうやつが…川上さんに話したいことがあるみたいで…」 「なにそれ!危険!どんな人なの!?」 柊夜は、少し宮田が哀れに感じた。 「えと…髪が短くていつもうるさくて笑ってて…」 「わかった、水沢ナイス」 「いや…」 新井はすごく険しい顔で走って行った。 「おい」 突然背後から聞こえた声に慌てて振り返る。 「よぅ、何話してたんだよ、新井と」 「朝日…」 朝日はいたずらっぽい笑みを浮かべた。 「何か知らねーけど、柊夜でも女子と話すんだな…」 「いや…」 女子と話さない僕が、新井とは話す。 そんなふうに朝日に思われたのか、と思って、なぜかもやっとした。
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