Ⅲ. 朝と夜

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昼休み。 柊夜はいつものように屋上へ向かった。 扉をそっと開くと、ぬるい風が涼しい風のように吹き込む。 柊夜はいつものように、フェンスにもたれかかる。 いつものように、人3人分以上離れたところには、川上さんがいる。 いつものように、気まずい空気の中で、目が合うと会釈をする。 静寂に包まれて、どちらかがそれを破る。 「…夏休みでも、文化祭の準備とか…部活があるから毎日会うね」 川上さんはさっき、きっと泣いていた。 「は、はい…」 声も少し震えている。 「…次は…何があったの?」 「いえ…」 「じゃあ、こっち見て笑える?」 「………わ…笑えないですっ…!」 川上さんの目は、涙が溢れていた。 初めて会ったときの涙は、何だったのか未だに知らない。 でも、最近は毎日川上さんと話して、人間関係に悩んでいることがわかった。 「…僕に話してみて?」 「…でも…迷惑かけたら…」 「うれしいよ。何でも話してくれたら」 「…水沢くん…」 川上さんは、涙を零しながら、必死に言葉をまとめるように俯いた。
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