9人が本棚に入れています
本棚に追加
「わたし…前に、真花ちゃんに"人の意見を聞いたとき、'でも'から入ると、相手は否定された気持ちになるんだよ"って…言われたんです」
「…うん」
「でも…受け入れたくないときがあるんです」
川上さんは珍しく強い言葉を零した。
「誰かの悪口とか…、全然周りの人の気持ちを考えられてない考えに、共感出来なかったり、したくなかったり…」
川上さんは、苦しそうに俯く。
「…でも、せっかく話してくれた人に否定から入るのも良くないと思って…聖奈ちゃんの気持ちだけは少し受け入れたんです」
聖奈ちゃんとは、川谷聖奈のことだ。
「そしたら…全部をわたしの意見にして…里佳ちゃんたちに嘘をついたんです…」
「もう少し、詳しく聞いてもいい?」
「…はい…。聖奈ちゃんは…里佳ちゃんたちといつも楽しそうにしているけど、…わたしに、"実は里佳たちのテンションについていくの、超面倒なんだよね"って…言ったの」
「うわぁ…」
黒いなぁ…。
「わたしは聖奈ちゃんが信じられなくなってきて…。…でも、まずは少し受け入れなきゃって、…"里佳ちゃんたちいつも元気だもんね"って…言ったの。それが…」
川上さんは、もっと声が震えてきて、一旦無言になった。
最初のコメントを投稿しよう!