花と悩み

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現在八時半を回って 針が真上へ向かおうとしている間 (この本の題名は何だろう) 僕は題名について考えていた。 読めないからだ。 唯一わかるのは、作者ぐらいだ 聞いたことがある。 いや、聞いたことはあるはずだ、何故ならば 僕の大好きな作家だからである。 《吉良科 城太郎》 《きらしな じょうたろう》 そう、書いてあった。 だが、おかしい。 吉良科城太郎の作品には こんな本は無かった。 僕は彼の作品をこよなく愛していた。 考えた、考えた末に出た答え。 彼女を、あの髪の長い彼女と会えるまで この本を1ページずつ読んでいこう。 毎日、毎日、毎日、毎日 君に辿り着くまで読んでいこう。 この、分厚い本を君と出会えるまで…
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