死に損ないの僕の前に開かれたブラックホール

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??????死にたい。でも死ねない。嗚呼、なんて無残な現実だろう。 毎日毎日同じ電車に揺られ、同じ仕事をこなし、同じ上司にヒステリックに怒鳴られ、同じ時間に同じ家に帰る。 これを死ぬまで繰り返すのかと思うといっその事異世界にでも連れ去ってくれと思う。 異世界に行く方法ならもう何度も試してる。だけど何も変わらない。ちょっと部屋が暗くなったか変な寒気を覚えたくらい。変わらない変わらない。変わるはずもない。 屋上に立ってみた。何をするわけでもない、強いて言えば. 死ぬためだ。もう嫌だと心底思った。どこかごまかしごまかしやってきたが"思ってしまったら"もうそれは本当の本心だ。 そんな僕の心を突き飛ばすように突風が吹いた。 落ちていく、落ちていく、落ちていく、落ちていく、落ちていく。 ああ、地面がコンクリートが行き交う人が見える、近づいていく と そこにあったのはぽっかりと空いた黒い"穴"。 どうすることもできないじゃないか。そのまま吸い込まれることしか
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