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死んで、アケミはやっと、母との約束の場所に戻って待つことができた。
でも、何かがひっかかる。公園の闇に手を貸した者がいるのではないのか。戦後、何年経過しているというのだ、今、活性化するには何か変化や理由があったはずだ。
公園の木の高くに、捧げものをする。そして、モヤモヤは活性化し、子供にも見えるようになってゆく。
師井や鞍馬が反応し、俺を公園から遠ざけた。師井や、鞍馬は通訳が欲しかった。
昂は何と言った?ご神木が、吸収すると言った。
「ご神木は、異物(インプラント)と同様なのか……」
神代のご神木は、あまりにパワーが強く、人の手には余る。新しいご神木を、公園は育てていた。
「通過者ではない思いも吸収する異物(インプラント)は、価値があったのか」
異物(インプラント)の価値は、どこかで公開しているのだろうか。
「昂、異物(インプラント)の価値って、どこで分かるの?」
「それは、闇サイトがありまして。高値取引のリストが公開されています」
どういうのが、幾らになったのかが、公開されているのだそうだ。殺された異物(インプラント)もあるので、秘密裡に公開されていた。
「ご神木の類はあるか?」
「あります。情報量の大小で、かなり価格が異なります。それに、ご神木で、物凄い高額のものもありますね」
俺も踊らされていたのか。公園に、俺がご神木を持ってくるとまで、予測されていたのだ。
でも、そもそも、神代へ行くように仕向けたのは、綾瀬だ。
「…………もしかして、綾瀬は回収屋に名前があるのではないの?」
昂が、まさかと言いつつも、名前を検索してくれた。
「あった……」
綾瀬が俺をだまして利用したのか?
「……綾瀬が、俺を騙したのか?」
「騙したのではないよ。俺は、肉体を手に入れる。回収屋がご神木を手にいれたら、肉体を渡すという約束をしてくれた」
本当に、綾瀬であるのか。生葬社に祀ったご神木を手に、綾瀬が立っていた。
「俺は、遊部が好きだ。誰にも渡さない。遊部の肉体を愛するのは俺なんだ」
綾瀬の言葉に、俺は首を振る。
「……いいや、綾瀬は死んだ」
今度は、綾瀬が首を振って否定していた。
「違う、俺は死んでいない!絶対に、遊部は俺が手に入れる!」
ご神木を持って、綾瀬は窓から飛び降りて行った。
「……綾瀬……」
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