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綾瀬は言葉が出なかった。
そこで、白い紙を出すと、汚い字が綴られていた。
『電車に乗って来た。実徳(みのり)が住所と行き方を書いてくれた』
実徳は、俺の弟であった。
「帰ってください」
確かに幼馴染で親友でもあったが、もう問題は増やしたくない。
『守護霊でもいい、一緒にいたい』
「断る!」
俺がきっぱり言うと、綾瀬が悲しい顔をしていた。
遥香は、同調が激しいらしく、綾瀬の代わりに泣いていた。
「いいか、生きている人間は、食べて生命を維持しているわけよ。
その中でも、自分というものの維持には、かなりのエネルギーを消費している。
お前は、そのエネルギーをどこから得ている?」
文字が浮かんでいた。
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