第一章 黒い影が遊ぶ公園

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 綾瀬は言葉が出なかった。 そこで、白い紙を出すと、汚い字が綴られていた。 『電車に乗って来た。実徳(みのり)が住所と行き方を書いてくれた』  実徳は、俺の弟であった。 「帰ってください」  確かに幼馴染で親友でもあったが、もう問題は増やしたくない。 『守護霊でもいい、一緒にいたい』 「断る!」  俺がきっぱり言うと、綾瀬が悲しい顔をしていた。 遥香は、同調が激しいらしく、綾瀬の代わりに泣いていた。 「いいか、生きている人間は、食べて生命を維持しているわけよ。 その中でも、自分というものの維持には、かなりのエネルギーを消費している。 お前は、そのエネルギーをどこから得ている?」  文字が浮かんでいた。
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