第四章 夜啼く鳥が闇夜で見たもの

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「……気持ち悪くないの?」 「俺にも同じ臓器が入っていますよ。気持ち悪くないでしょう」  鞍馬が少し笑った。 「寝よ、腕枕してやろうか?」  いいや、そのまま眠りたい。 俺は、寝転ぶと、そのまま眠ってしまっていた。  目が覚めると、既に、師井も鞍馬も居なかった。 車から出てみると、焚火の前で、二人が何か用意をしていた。  二人の手元を覗いてみると、ねずみのような生き物が、幾匹も籠に入っていた。 「生贄ですか?」 「いいや、これは餌」  白いねずみであった。何の餌にするつもりであろうか。 闇夜に白は、よく映える。 「さてと、行きますか」  二人が、ランタンを手に持ち歩き始めたので、俺は後を追ってみた。 昼間に歩いた道を、又歩いているような気もするが、 どこも同じ景色に見えるので確証はない。
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