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師井はランタンの他に、提灯も提げていた。
この提灯の中は、蝋燭であるのだが、これは素晴らしい。
光の拡散が広範囲で、ライトよりも周囲をムダに照らしていた。
でも、ほんのりでも地面が見えると安心できる。
「遊部君、提灯がいいのか……」
いつの間に、俺は提灯に寄って歩いていた。
「いい光です」
森にとって、この僅かな光は、焼石に水のようなもので、
周囲は真っ暗になっていた。
夜空の方が明るく、周囲は闇に包まれている。
「ぎゃああ、ぎゃあああ」
夜だというのに、カラスの声があちこちで聞こえていた。
カラスの声は、どこか人の叫び声に似ている。
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