第一章 黒い影が遊ぶ公園

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『周囲の人間から、ちょっとずつ貰っている』  それが困るのだ。 人間、結構、自分一人で限界に出来ている。 余計なエネルギーは、誰も持っていないのだ。 「家に帰ってください」 『愛している、遊部。絶対にお前からは採取しない。だから、傍にいたい』  俺から取らなければいいという問題ではない。 俺の周囲の人間が、綾瀬のせいで弱ってしまう。 「体がないとな、安定もしない」  そうか、だから鹿敷(かしき)は特殊能力として、肉体を乗り換えている。 決して、霊体?のままではいない。 「まさかと思いますが、水早さん。 この綾瀬も肉体を得ると、鹿敷さんのように生きられるのですか?」 「ううむ、鹿敷君も前例のなかったタイプだからね。 どうかな?それに、綾瀬君は死亡届が出ているでしょう?」  死亡届は出ている。 それは、夢で過去を操る、 生葬社のオーナーの儀場(ぎば)がどうにかしてしまいそうだ。
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